時計が動かない。もう15年近く使っているだろうか。それはSEIKOのクオーツ時計でどこにでもある普通のもの。

おさーんは元々時計にさしたる興味を持ってない。だが、「時計などしなくとも、スマホがあれば良い」と言い切るほど今風な思考でもない。
これまでおさーんは特に疑問もなく、「社会人なら時計は当たり前にするものだ」と。時計への認識はせいぜいそれくらいだ。

この時計、さほど気に入ってたわけでもないが、いただきもの故それなりに長く使っていた。
止まれば電池交換を行い、オーバーホールも一度行い、ずいぶん長く使った。予備の時計が無いわけではない。予備で持っているのはCASIOのG-SHOCK。ウレタンバンドの黒いやつ。たまに付けるならまだ良いが、スーツ仕事でウレタン時計を1年中はさすがにまずいわなと。

そんなわけで、新しい時計を選んでみることにする。仕事でも違和感なく使えるもの。
昔からの刷り込みは「時計ならとりあえず国産ブランドのSEIKO」。時計にさして興味もないなら普通のSEIKO腕時計で。それで充分だ。
唯一の希望は、できれば今度は機械式で。それも黒がいいかな。
なぜだろう、このとき、次は機械式を買ってみようと思った。

「クオーツは電子制御だから、いつか壊れて使えなくなる。今回の時計のように。」
きっと恐らくそう考えたのだろうと思う。今度のは長く使いたい。

こうしてSEIKOの機械式腕時計選びが始まった。

今はいつでも簡単に情報が取れるので、意外にすぐ買う時計は決まった。
時計にさほど興味もさほどなかったから、すんなり決まったということか。

ところが、ここでおさーんはやらかした。

元々おさーんは時計に興味はなかったのだが、実のところ、おさーんはかなりの凝り性で、のめり込む性格なうえ、大のメカ好き。
時計は嵌まり込むとマジでヤバい。だからこれまで興味が無かったというより、遠巻きに眺めるだけで近づかないようにしてきたというのが正しい。あまり興味もなかったし。

そんなおさーんが時計選びでネットを漁る。おさーんは何か調べる時、製品だけでなく、ブランドの成り立ちや歴史を遡って詳しく調べるのが常である。
これまで遠巻きに眺めてきたものを手元で仔細に見る。これがおさーんにとってどれほど危険なことなのかは言わずもがなといったところ。

おさーんが初めての高級時計なるSEIKOの機械式腕時計を選ぶ頃、すっかりおさーんは出来上がっていた。

こうしてゼロからスタートする、おさーんの腕時計収集が始まった。