アニエス・ベーを15年以上使い倒した頃に、嫁の会社からいただいたもの。名前入りのペア・ウォッチである。なお、嫁の会社とおさーんが勤める企業は、縁もゆかりもない全くの別企業である。単なるダンナになんと太っ腹な嫁の会社よ。

いただきものなので、名前入りだろうが趣味に合わなかろうが、文句を言わずずっと着けていた。おさーんにとっては買ったら定価は5万以上の高級な品物だ、文句があろうはずもない。

IMG_5008

ところが使う期間が長くなると、なんだか愛着も沸いてくる。
なんだかんだ言いながら、電池を何度も交換し、途中動かなくなってヨドバシカメラにオーバーホールも1回出した。

オーバーホールの値段はそれなりに高く、先に書いたアニエス・ベーの新品時計が買えるくらいの値段。価値としては全く見合わないが、それでも手を入れて復活させた。

その時なぜか、OHは1回しかできないから次はないですよと言われる。今から思えばんなこたぁねぇだろと。まぁ中身を丸ごと入れ替えるという意味で、次はもうムーブメントが無いという意味だったのか。

この時計はこのあと手に入れたG-SHOCKと交代で15年以上使い続けたが、ある時電池切れで2年ほど放置した後、電池を変えようとしたら動かないと言われた。 

今でも手元にこの時計はある。さほど大きなキズもなく、リューズに組み込まれたオニキスも健在。好きなデザインでもなかったが、愛着がそれを上回った好例。
現在は、三針のシンプルさとクラシカルな雰囲気に加え、薄い軽い小さいと、その魅力がおさーんにもようやく理解できた模様。

なお、不動から数年放置後、つい先日SARX035のブレス調整のおり、ダメ元でついでに電池交換してくれと持ち込んだら見事動くようになった。

時計屋は油を挿して簡単な掃除をしてくれたようだが、今も止まらず時を刻んでいる。

クオーツだからというわけではないが、精度は今でもめちゃくちゃ良い。それも驚くほど。
2020年時点で20年近く前の時計なんだが、今でも月差+1秒あるかないか。

あまりに狂いがないので、どういうことかと確認してみた。こいつのキャリバーはCal.8J41というクオーツキャリバーらしい。
驚くのはその精度。ななんとなんと、年差10秒なんだそうな。
なんぞそれ。グランドセイコーの9Fと同じやん。
加えてさらにこやつ、めちゃめちゃ薄くて軽いのである。厚みはノギスで測るとなんと4.9ミリ超極薄。キャリバーの話ではない。時計本体の厚みなのだよコレ。

小さく・軽く・超正確。復活したのがうれしくて、仕事に行くときは、最近かなりの頻度で着けているおさーんである。

なお、時計屋から、「ちょっと古いけど、オニキスも付いてるしいい時計ですよ」と言われ、鼻の穴が膨らむおさーんであった。

ちなみに、何気に超性能の良いこの時計、中古市場は二束三文。
Cal.8J41を搭載したDOLCEは他にもいろいろあるし、実のところ現在も販売されている。
小さく軽く高精度な時計がお好きな方には、グランドセイコーの9Fクオーツと同等性能で、価格が安いこのキャリバーは、とても良い買い物だと思う。

--

SEIKO DOLCE  Ref.8J41-6030
製造年月:2001年12月
搭載キャリバー:Cal.8J41(クオーツ)