部品カタログから得た情報によると、古いムーブメントはまだ体系立てて整理されておらず、どうやらキャリバーナンバーが存在しないものがあるらしい。おさーんが学んだ知識の中で、保有するムーブメントについて少し記しておこう。

例えば、おさーんの大好きなロードマーベル。こいつは「はまぐり」はおろか、中期の裏蓋段付き(おさーんが勝手につけた呼称)もキャリバーナンバーがない。
中期キャリバーはロードマーベルの基礎キャリバーとなっているのに、キャリバーナンバーがないというのはどういうことか(*)。ちなみにペットネームは「LM」だそうな。

各種記事に記載されているように、ロードマーベルはその後クラウンベースのムーブメントに代わる。ここでようやくキャリバーナンバーが付く。キャリバーナンバーはCal.5740AとCal.5740Bの二つ。
これら二つのムーブメントの基礎キャリバーはクラウンのCal.560なのだそうな。
この二つのキャリバーの違いはテンプ振動数で、Cal.5740Aはそれまで同様18,000回/時。Cal.5740Bの振動数は19,600回/時だ。すこしづつ振動数を上げていったんだな。知らんかった。
Cal.5740AとCal.5740Bのペットネームはどちらも同じ「LMK」。振動数違うんだから、ペットネーム変えてもいいと思うのはおさーんだけか。

続いて発売された今も大人気のロードマーベル36000(以下ハイビート)。こちらのキャリバーナンバーは5740C。基礎キャリバーは同じくクラウンのCal.560とのことだ。ペットネームは「LM36」。振動数はペットネームにもあるように36,000回/時である。Cal.5740xシリーズは分換算の振動数で、5振動/秒→5.5振動/秒→10振動/秒と振動数を上げていったわけですな。とはいっても、5.5振動から10振動はかなり飛んでいるので魔改造の域か。

なお、振動数は、ネットなどでは一般的に秒換算で言われることが多いようだが、部品カタログでは全て時間当たりの振動数で表記されている。秒や時間といった単位が省略され、単なる振動数だけが記載される場合は、秒換算が暗黙値なのだだそうな。
例えば、先のCal.5740B、時間当たりの振動数は19,600回/時になるが、単に「5.5振動」と記載される場合は「振動数=5.5回/秒」という事らしい。ハイビートは10振動という記載はここからきている。

では、お次はキングセイコーを見てみよう。
1stモデルにはキャリバーナンバーはない。次のモデルの44KS、人気沸騰高騰中のいわゆる44キンクロ(44キングセイコー・クロノメーター)には、誰もが知るCal.4420というキャリバーナンバーが付く。だが、規正付きのカマ付はキャリバーナンバーがないんだな。カマなしになってようやくCal.44Aというキャリバーナンバーが付くのは前の記事でも書いたが、同じ時期のムーブメントなのになんかちぐはぐである。亀戸はどうでもよかったんだろうかキャリバーナンバーとか。

まぁこのほかにも、チャンピオンとか、60年代初期のムーブメントにはキャリバーナンバーがないものも多いのである。

なお、GSは1stからちゃんとキャリバーナンバーが付く(Cal.3180)。GS1stの発売は1960年だが、諏訪製のキャリバーは、それ以前のモデル(例えばクラウン)からキャリバーナンバーはある。このことから、亀戸と諏訪でキャリバーナンバーに付する考え方が異なるようだ。

なお、キャリバーナンバーは、ムーブメント自体に刻印されており、その番号を見ればわかるようになっている。ムーブメントによっては、これとは別に特別な機械に刻印される機械番号というものがある(ムーブメントの製造番号のようなもの)。これと混同しないよう留意のこと。モノによっては、キャリバーナンバーと機械番号両方が刻印されてたりするからややこしい。そのため、セイコーでは、以下のようにキャリバーナンバーを定義しているようだ。

◆キャリバーナンバー:受または回転錘の上に3桁から5桁の数字・英字で表示

つまり、桁数が4ケタだったり6ケタだったりする番号はキャリバーナンバーではなく、機械番号だったりするという事だそうな。「はまぐり」なんかはこのパターンで、4桁又は6桁の機械番号が受けに刻印されている。開腹して臓物見るときのご参考にどうぞということで。

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*キャリバーナンバーがないのに基礎キャリバーとして記載されている理由は、このカタログがロードマーベルの発売後かなりあとに作られ、その際後付けで基礎キャリバーなるものを設定したのが理由なんだろうと。
部品カタログとしてまとめる際、それまでのムーブメントを整理している過程で、既にこのキャリバーが数多く販売されていた。なんとかして載せないと、時計屋さんが困ってどうしようもなかったからだろうとおさーんが勝手に推測。