前回記事で、気になってはいるが、なんとか横目で見ていたロードマーベル36000(以下ハイビート)。
おさーんやっぱり辛抱たまらず、欲求を治めるために、暴挙を犯しプレス文字盤を衝動買いしたお話を書いた。

これで一旦はその欲求も治まったかに見えたが、実はそんなのほんの数日のこと。
一旦現物を手に入れると、やはり植字文字盤が気になって仕方ない。

ハイビートは11年もの長きにわたり販売されたこともあり、現存する個体も多く、オクに出品される量もかなーり多いのだ。

おさーんは毎日大量な画像を眺め、ああでもないこうでもないとブツブツ独り言。そしてついに辛抱たまらず、これぞ植字文字盤と判断したものにアタックを仕掛ける。
全くバカですねホント。最初から植字にしとけばいいのにね。あぁもうコレも2個目だよ。
というわけで、ハイビートのアラビア数字植字文字盤がこちら。間髪入れずの弐号機。

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オクで落とした2つ目は、文字盤にほんの少し欠けがあるが、確かに間違いなく植字文字盤だった。
これでようやく物欲もおさまるわと、文字盤をスマホで拡大してしげしげと眺めるおさーん。
おさーんはさらに初号機も取り出し、並べて拡大して見比べる。

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※右が初号機、左が今回手に入れた弐号機

「あーココだけがちょっと惜しいんだよな」とか言ってるうちに、なんか妙な違和感。

おさーんは先に書いたように、これまでオクに出品される大量のアラビア文字盤を見てきた。えーそりゃたくさん見ましたよ。毎日イヤという程出てくるんだものハイビート。
そのかいあって、パッと見でプレスと植字の違いを見分けることができるという、日常生活において、マジでクソの役にも立たない、どうでもよいスキルをキッチリ身に着けていた。

「なんかこれ、正面から見ると変わらんね、並べてあらためて見ると、プレス文字盤(初号機)もなかなかだよね、でもなんか変だなこれ、って、あれ?」

ちょっと待て、こんなの聞いとらんぞ。
これ、どっちも植字だ!

二つ並べてよーく見ると、正面から見たときは全くと言って良いほど見分けがつかない。
だが、そんなはずはないのだ。
プレス文字盤は何やったところで、どうしたってエッジが出ないので、見た目に文字が柔らかな感じとなり、塗料が乗ってない部分が正面からでもわかるのだ。

ところが、この二つを見比べたときの感じと言ったらどうだ。どっちもどこから見ても固い感じのくっきりした文字盤にしか見えない。

ハイビート初号機をよくよく観察してみると、実のところ、どうもハイビート初号機は、植字は植字なんだけど、塗料が上だけ塗られてて、横はシルバー(無塗装?)のようなのだ。

初号機を手に入れたころは、まだ植字文字盤を全く見込んでないおさーん。時計の横から文字盤を見て、シルバー面が見えたことから、こりゃプレスだわと勘違いをしたのだった。
だとしたら、おさーんはホントにアホである。でもさー、そう思うじゃん普通。
ではここで、初号機と弐号機の文字盤を拡大してお見せしよう。
まずは初号機。

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ほーらちゃんと植字でしょ。で数字横はシルバーでしょ。11時とか12時見るとわかるでしょ。

続いて弐号機。

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ほれほれこっちも植字。でも数字横は黒いでしょ。
なんか数字の文字盤面にくっつているっぽいものあるよね。これ接着剤?

というわけで、結論から言うと、ハイビート・アラビア数字の植字には少なくとも2種類のバリエーションが存在しているらしい。聞いてないわそんなの。
でもまぁどうでもいいかこんな話。

あ、やべぇ、植字手に入れたらプレス(初号機)売るつもりだったが、これでどっちも売れなくなってしまった。でもまぁいいか、2種類あるとしたらどっちも持ってるわけだし。

いやーホント、おさーんに取っては大発見だった。

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セイコー ロードマーベル36000(ハイビート弐号機)
製造年月:1973年10月
モデルナンバー:Ref.5740-8000
キャリバーナンバー:Cal.5740C(手巻)
ペットネーム:LM36
石数:23石
振動数:36,000回/時(10振動)
ケース:SS
文字盤:AD