今回はセイコーチャンピオンである。以前記載したセイコーシーホースと同様、おさーんのストリームからははずれた腕時計。さて、これがなぜおさーんの手元にあるのか。

IMG_5146

実のところ簡単に言うと、間違えて買ってしまったの巻。
以前紹介したシーホースを手に入れて以来、来るべき時に備えドナーを手に入れておかねばと思ったおさーん。日夜ジャンクなどを中心にスポーツマンを探していた。
ところが、どこでどう勘違いしたか、スポーツマンはチャンピオンに脳内変換を起こした。

とある日、なかなかキレイなチャンピオンを見つける。「これじゃい!」とばかりチャンピオンを手に入れるおさーん。チャンピオンは無事手元に届き「おーこれキレイじゃんか!」とか呟いた直後に「あれ?」とおさーん気づく。バカス。

しかもこれ、よくよく見れば普通の使用に耐えるキレイな稼働品である。ドナーなんぞにはもったいない個体だ。

FullSizeRender

スポーツマンとチャンピオン。どちらも17石が主力となる時計だが、当時は普及品の位置づけ。名前からして、ビジネスマンというより学生向けの位置づけだったと考えるのが自然か。
スポーツマンが諏訪でチャンピオンが亀戸の製品だ。
このころはまだ、第二精工舎と諏訪精工舎は強力体制というより完全なグループ会社競合に近い状況が伺える。なにせ名前がスポーツマンとチャンピオン。まるで子供の喧嘩のようだ。
というわけでチャンピオンについてだが、スポーツマン同様ほとんど情報はなかった。あっても亀戸製手巻きの普及機くらいしか見つけられないのである。まぁそんなところもスポーツマンとそっくりだ。

IMG_5166

ムーブメントはこんな感じ。普及機なので、これまで見てきたムーブメントに比べると磨き加工など一切なし。普及機らしく直線を多用し、加工のしやすさを前面に押し出した造りで、さっぱりとした印象。
時計上部に三角の受けがあるが、ここにある3つの石のうち、ダイヤフィクス(保油機構)使ってるのひとつだけやん。古いマーベルならまぁわかるが、この時代でも普及機だとこんなもんか。耐震装置(ダイヤショック)がキッチリついているのはありがたい。S-2耐震だ。

この時計、その製造年月から生産開始直後に作られたものらしい。当時、まだ亀戸製のムーブメントには素性を示すキャリバーナンバーがない。この時計は1960年10月製造だが、翌年の1961年に発売されたキングセイコーですら、キャリバーナンバーがないのだ。
この時計の唯一ともいえる情報源はトンボ本で、こちらにはそれぞれのモデルが写真付きで詳しく紹介されている。それによれば、ムーブメントはクロノスをベースとしたもののようだ。クロノスのムーブメントはテンプの受けが片持ちではなくブリッジとなっており、それが大きな特徴。確かにチャンピオンも上下両側でガッチリと地板に固定されるブリッジ構造。クロノスの流れるような造形とは異なるが、ベースがクロノスであることは見て取れる。

間違えて買っちゃったけど、悪くないのでしばらくは使ってみようかと思う。

----

セイコー チャンピオン
製造年月:1960年10月
モデルナンバー:不明
キャリバーナンバー:なし(手巻)
ケースナンバー:J14082
ペットネーム:CH
石数:17石
振動数:18,000回/時
ケース:SS
文字盤:不明