さてさて、以前手に入れた56キングセイコー。こいつをオーバーホールに出してみようと思う。
前回はおさーんが最もお気に入りの「はまぐり」四号機のオーバーホールだったが、立て続けに2つ目のオーバーホールだ。

これにはちょっとした理由があるというか、ぢつはたいした話ではない。いや1個だと送料もったいないから2個送ったのね実は。もうひとつにこの時計選んだのは、とにかく精度がひどくて使えないからだ。どれくらい酷いかというと、時差5秒くらい。←精度を時差とか終わっとる

ロードマーベルと一緒にオーバーホールに出してあるので、お願いしたお店は精計堂時計店。ごはんさんのところだ。例によって返信は早い。ロードマーベルと併せて見積がメールに記載されていた。こちらもオーバーホール料金はHPの料金どおり。これに加えてパッキン代が1,000円。なんちゅうお値段なの。元より異存はないので、こちらもそのまま作業をお願いした。

ロードマーベルと共に戻ってきた56KSには、毛筆手書きの保証書が添えられていた。

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オーバーホールとパッキン交換をおこなっていただいたことが記載されている。
とにかく精度がひどく使い物にならないキングセイコー。オーバーホールに出す前は、修理が必要とかせいぜい日差2分くらいまでかと思っていた。
ところがである、OHに加え、時差調整をお願いした結果は、保証書にもあるようになんと+-10秒!!!。

これ、ほぼ60年経とうかという時計なんだが、それで日差+-10秒!。日差1分くらいで帰ってこればぜんぜん充分と思ってたけど10秒!

素晴らしいとしか言いようのない結果。おさーんもこれには驚きである。キングセイコーってやっぱ凄いのね。

その後2日ほど、普通に着用して使ってみた。2日後に確認してみると17秒ほどの遅れ。姿勢や動かす条件でもちろん変化はあるだろうが、この二日では日差9秒を割り込んでいる。恐るべしこの正確さ。
前回記事で、「はまぐり」が15秒で驚いた話は書いたが、こっちは実測10秒未満。なにそれ怖い。

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これで、この時計も日常使いできるようになった。メダリオンもないし、期待はできないまでも一応防水なので、「はまぐり」などと比べれば、格段に使い勝手は良いだろう。それでいてこの精度だ。もう十分すぎるほど満足である。ホント見事だ。
56KS、キングセイコーではベストなモデルという話を見かけたことも幾度かあるが、いやマジで素晴らしい。カレンダーは樹脂部品の地雷が仕込まれているが、ノンデイトは全く関係ない。それでいて自動巻なのにこの軽さ。おさーんは手巻きが好きなのでさほどでもないが、これは確かに良い時計だ。
だが、おさーんはやはり工業製品になる前の44KSまでが大好きである。

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セイコー 56キングセイコー(規正付き・ノンデイト)
製造年月:1973年4月
モデルナンバー:Ref.5621-7021
キャリバーナンバー:Cal.5621B(自動巻)
ペットネーム:56KA
石数:25石
振動数:28,800回/時
ケース:SS
文字盤:AD