えー、おなじみ古時計シリーズ。さすがにもうネタは尽きたかと思いきや、まだ手に入れていない時計がいくつかある。積極的に行くつもりはなかったが、運良く手に入ったのがこちら。

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こちら、最近多い入手パターン。最終日の終了時刻近辺で確認した際、この状態でこのお値段ならご挨拶をちゃんとしておかねばなるまいポチー。
するとそのままあっけなく落札これラッキー。やはり由緒正しき名を継ぐモノがお出ましになった際は、敬意を表しご挨拶も必要であろう。

さて、この個体は初めて入手するロードマーベルの後期モデル。中期に非常によく似ているが、似ているのは外見だけで、中身は大幅な変更が入ったモデルだ。

以前の記載をおさらいしておくと、最初期から中期までのロードマーベルは、マーベルをベースとしたムーブメントを搭載したもの。後期モデルからは、クラウンのムーブメントをベースとしたものに切り替わる。祖となるのはいずれもマーベルのムーブメントであるが、後期ロードマーベルの中身は、それまでとは根本的に異なる機械が搭載されていると思ってもらって良い。

昔出した分類をもう一回出しておく。

loadmarvel

※呼称はおさーんが勝手に付けたものなので留意

さて、おさーんが入手した個体は、上図で言うと、クラウンベースの「ロービート・秒針規制付き」と記載したうちのひとつである。
ここに属するモデルは、モデルコードでいうと3種類のモデルがあり、2種類のムーブメントを組み合わせて販売された。今回入手したものは、その中でも最も早く発売されたものにあたる。

なお、後期モデルのベースとなるクラウンは、元々マーベルのムーブメントを大型化して精度を高めたものだ。よって、クラウンをベースにしたロードマーベル後期のムーブメントは、中期までのそれよりもより大型化されている。加えて、ロードマーベルとしては初めての秒針規正付きモデルだ。

さて、寄り道はほどほどにして、文字盤を見てみよう。

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ロードマーベル中期文字盤とよく似ており、中期同様全てのロゴは中期同様プリントだ。そして文字盤マークも無くなってしまった。文字盤は6時下部の記載にあるようにAD文字盤だ。
製品ペットネームは従来同様の書体だが、6時記載の「DAISHOCK 23 JWELS」の書体がブロック体となり、石数のアピール度合いがなんだかなぁ。
参考までに中期の写真も貼っておく。二つ並べて見比べてみると、インデックスなど違いも分かるが、単体で見たら6時上の表記くらいしか判別個所はないかもしれない。

※以下画像は中期ロードマーベル(14KGF)
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なお、側素材についてだが、この後期個体はAGFで幸いにもまだメッキではない。この時代、メッキの耐久性もあがったのか、贅沢な金張りが減りメッキが非常に多い。ロードマーベルは側素材においてもまだ贅沢な素材が使われる数少ない時計だった。だがロードマーベルのAGFはこれが最後のようだ。

この個体は文字盤の劣化も少なく、非防水ケースの割に状態はいいと思う。それもおそらくまだ準高級機だから、それなりに大事に取り扱われたのではないかと思われる。
側のバリエーションは、AGF以外にSSと18Kがある。なお18Kはちょっと曰く付き。そして、いずれも非防水だ。

では裏蓋を見てみよう。

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こちらも中期と同じ裏蓋段付き。モデルコードはRef.5740-1990で、製造年月は1966年1月。
ロードマーベルは1967年にハイビートへ切り替わるが、このRef.5740-1990自体は1966年のカタログに掲載されていないので、この個体自体限りなくモデル末期のものではないかと思う。
なお、Ref.5740-1990は当初おそらくAGFとSSで販売されたものと思われる(カタログ等の資料がないのでよくわからない)。その後おそらく1965年で一旦カタログ落したものと思われるのだが、しばらくお休みのあと、1967年にロードマーベル高級機最後のモデルとしてK18の側を纏い、ごく短期間のみ同じモデルコードで復活する。

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うーむ、これまでのモデルにあった「Lord Marvel」のペットネームロゴがどこにもないぞよ。
一抹の寂しさを覚えるおさーんである。

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さて、この時計に搭載されるムーブメントはCal.5740Aと呼ばれるもの。その内部をご紹介。
注目いただきたいのは、まだ機械番号が刻印されているのがおわかりか。これがあるのは特別なムーブメントのみだ。堀文字はおろか、文字盤マークも無くなってしまったが、まだこの時代、ロードマーベルはちゃんとした高級機なのだ。加えて大きな変更点のもう一つ、微動緩急針である。
微動緩急針については、以前ロードマーベル後期の記事に記載したのでそちらを参考にされたい。これもごくごく一部の高級機にしか実装されない機能なのだ。さすがはロードマーベルといったところだ。

パッと見、クラウンというよりGSファーストの見た目に似ている気がする。微動緩急針が似ているからだろうか。うーむ、これはなかなか見ごたえのあるムーブメントだ。

耐震装置はS-2耐震を採用している。テンプについているのがそれ。輪転受けの上二つに付いているのは補油装置のダイヤフィクスだ。
なお、伝統的にホイールに入れられていた磨きや、脱進機の下に施されていたペルラージュ加工も無くなったようだ。さすがにコレは寂しい。だが、受けの縁やネジの頭はまだ研磨が入っている模様。造りは中期までとはワンランク落ちるが、これはこれでなかなかである。なおこの時計、心なしか若干重い。持った感じがちょっとずっしり感あり。ムーブメントが大きくなったことによるものだろうか。

この時計、1度のご挨拶だけでお越しいただいたのも何かのご縁。一度OHが必要かと思うが、どこかのタイミングで実施し、ロードマーベル一族の末裔として保管したいと思う。

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セイコー ロードマーベル(秒針規正付き)
製造年月:1966年1月
モデルナンバー:Ref.5740-1990
キャリバーナンバー:Cal.5740A(手巻)
ペットネーム:LMK
石数:23石
振動数:18,000回/時(5振動)
ケース:AGF
文字盤:AD