さてさて、おさーんは独自で調べて手に入れてみた懐中時計だが、一度整備済みのちゃんとしたモノを見ておかねばと考えていた。
まぁこれホントは逆で、まずちゃんとしたモノを見てからどうするか考えるのが普通。
ある程度ブツを手に入れてからマジもん見るとか、どうかしてるのだが、まぁ今からでも遅くはあるまい。

というわけで行ってみたのが吉祥寺の超有名店。懐中時計といえば、国内有名どころとして必ず名前の上がるあのお店、マサズ パスタイムである。

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※マサズパスタイムホームページ画像を引用

早速お店に入って並んでる時計を見てみる。どれもなんか違うわ。ぱっと見全然違うわこれ。
欧州モノは初めて見ることもあり良くわからんが、しげしげと見てると、お店の人が接客をしてくれた。技術者の方だと思われるが、嫌味のない物凄く丁寧な接客である。
ただボーっとおさーんが時計見てただけなのに、説明の合間にショーケースから時計を取り出して蓋を開けて見せてくれる。
流石ショーケースから出すときの慎重さと丁寧さが半端ない。

イギリス物やパテックなど、頼みもしないのに一通り簡単だけど丁寧な説明と、ぜーんぶ蓋開けて見せてくれるのだ。見にきただけの冷やかしになんと丁寧な接客よ。ちょっとびっくりである。



イギリス懐中には根強い人気があるようだが、実際に現物を見て説明を受けると、その一面を垣間見た気がする。アメリカ製は、製造が機械化されたものに最後が手仕上げの量産品だが、イギリス製の高級品は全部手仕上げといった様相で、なんというか重厚感というか、例えば無垢ケースなどの厚みも重さも違う。
買いもしない客に持たせてくれるのだが、いやもう高価な商品なのでおっかなびっくりですよ。しかもおさーんが持ってる懐中より全然小さいのに、ずっしりとした重量感。うわ何これと思わず声も出る。

アメリカ製の造りは、いくつか手に入れたこともあり割とわかってきたが、またこれ全然違うなこれ。
これはいかんわ。なんか危険だわ。

並んだ商品がどんな工程を経て手が加えられたかお話も聞かせてもらった。
殆どの時計は天真を削り出し、香箱などもキッチリやり直すそうである。何せモノが古いので、その辺りをやり直さなくても問題ないモノは殆どないそうだ。 
コレさ、やっぱ思った通りレストアだよね。分解掃除組み立てというレベルとは次元が違うな。

で、商品はどれも2年保証。普通ないよねそんなの。あっても半年だろ普通。加えて、落としたりと言った、利用者責任以外の故障は保証されるそうである。

例えば、使ってたらゼンマイ切れちゃって、周り巻き込んで破損とかなってもまるごと保証だって。しかも2年以内に整備受ければ、保証はまた継続されるんだって。
つまるところ、2年ごとに整備受けてればずっと普通に使ってての自然故障はぜーんぶ保証よ。もちろん落としたりの故障はダメだけどね。

そんなの時計以外でも全く聞いたことないわ。すげーなこの店。ホント噂通りだ。

確かに絶対的なお値段はオクやeBayに比べて比較にならないほど高い。あーもうびっくりするほど高い。でもここで買ったら整備受け続けないと損だわ。

ネットじゃぼったくりだの、逆に評価してる人をマサズ擁護派だの色々言われてるけど、そもそもコレ単なるオーバーホールじゃなくてレストアだもの、一般的なオーバーホールと一緒に語るレベルじゃないじゃん。気合入れてメインで収集するものならば、コストが許すならこれ一択ですよこんなの。

なんでかね、なんでレストアと単なる分解掃除をいっしょくたにするかね。ずいぶんとレベルの低いお話である。

商品の単価が低くなるにつれ、このように本来並べて語るものでは無いものを一緒にしてしまう傾向が強い気がする。例えばもっと単価の高いクルマなどだと、こんな話は普通ない。クルマの場合はレストアなのか通常中古なのかは最初の段階でどちらにするか決めて、その中でえらぶのが普通。
ビンテージカーで言えば、例えば現状中古は百万円程度でも、レストアしてりゃ相場は1,000万からとかあたりまえでしょそんなの。レストアといっても中身は千差万別だから、そこの見極めはいるけどね。

つまるところ、用意できるお金と価値観で己が自分で決めればいい話だ。レストアの中身を語るのであればまだしも、レストア品と現状品を並べて上っ面の価格だけで高い安いなどというお話は、そもそも議論するレベルにないとおさーんは思うわけである。

だがまぁ、それ以前に分解掃除とレストアを一緒にしてるということは、その区別すらついていない幼稚なお話ということだから、仕方のないかもしれない。おっと横道が過ぎたおさーんである。

因みに、接客していただいた方に、持ってる時計の整備お願いしたらどうなんのか聞いてみた。そしたら明快な答えが返ってきましたよ。
基本整備で15万くらいかかるから、まずはそれを了承頂いた上での見積もりなんだそうな。
ほー、確かに高い。でもね、天真とか香箱とかその辺はやり直すからこれもコミでの15万ということらしい。当然ゼンマイ交換も然り。
理由は先の商品と同じで、オクやeBayに並んでるものは、まずマトモなものがないとのこと。だからそこはやり直すのを織り込み済みで、後は他にどこに手を入れるかによって値段が変わると。

ただ、直した部分においては商品と同様2年の保証が付くそうな。あくまでも手を入れた部分だけなのが商品との違い。
だけど、2年ごとの点検で、直した部分の保証が継続されるのも同じとのこと。途中でどこかなおせば、またその部分も恐らく保障に含まれるのだろう。

これ、おそらく最初の1回目にどかーんとお金かかるパターンだな。でも2回目の点検からは多分安くなるやつだ。
置いとくだけで使わない機械はここまでやらなくても良いが、大事にずっと持っておくとか、普通に使いたいなら一度ちゃんとこれぐらいしとくのが良いんだろな。なるほど分かった。

ある程度理解してからもう一度アメリカ製の商品見た。なんとか頑張って買えそうなのは、12sの無垢ケース付きリバーサイドマキシマくらいしかないのだが、内容から考えたらまぁ値段も妥当っちゃ妥当だなこれ。
ケースが金無垢なら、現状品なら中身がなんであれ10万超えるのが普通。さらに中身がマキシマで、これに15万の整備費用加えたら、もうここで売ってる吊るし値に近いですよこれ。
ちゃんとした状態で実用稼働させ続けるとしたなら、むしろ安くなるんじゃないかな。なにせ最初の状態レストア済みだ。保証も低コストで継続できるしね。
もちろん、どのレベルまでやるのかの限度はあるだろうし、考え方は人によって異なるだろう。それは当り前だしそれを他人がとやかく言うのも筋違いだ。

とにかくなんでもいいから手元にあればよい人には絶対額は相当高いし、そうした人はそもそもレストアはおろか、もしかすると分解清掃すら頭にないかもしれない。

というわけで、ここはうまく使い分けることにしよう。
できれば持ってる中で、ハイグレードのものは手をいれておきたい。でも全部は難しいから、長期的に考えて、いくつか絞ることにするか。リバーサイド無印や普及品は分解掃除でもいいや。普及品は別に止まってもいいからそのままでもいいし、いっそのこと自分でやってみるか。

こうしてあれこれ考える時間がまた楽しかったりするおさーんであった。