さてさて、スクリューバックオープナーを手に入れたおさーんが防水キャップを開けてみるシリーズ。前回は機械番号の有無を常々確認したかった45キングセイコーだったが、今回は56キングセイコーを開けてみよう。というわけで、4回目の登場となる56KS、Ref.5621-7021だ。

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このキングセイコーは、購入当初は時差5分くらいという酷い状態だった。その後メンテナンスに出し、日差10秒程度まで調子を取り戻した時計。現在も快調に時を刻み続けているものだ。

56キングセイコー(以下56KS)は諏訪製の自動巻が搭載されており、44キングセイコー(以下45KS)と共に発売開始となったもの。おさーんが持っているのは、遅れて追加発売されたノンデイトモデルで、56KSの発売開始から、3年ほど経っての個体。
数が少ないとも言われているが、それほどレアというわけでもないものだ。

では、さっそく中身をご開帳。

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自動巻だから当り前だが半分ローターやんねこれ。だが、ローター薄そうやな。この時代、こんなペラペラでもゼンマイ巻けるようになってるんだね。

この時計、今の自動巻に比べてものすごく軽い。おさーんが他に持ってる手巻に比べれば重いのだが、さほど違和感なく腕に着けていられる重さだ。
正直なところ、デジタルでウレタン外装のG-SHOCKなどの方がこれより重かったりする。

多分もう少し前の自動巻はもっと重かったはずだろう、知らんけど。少しでも軽くするためにいろいろ頑張ったんだろうな。
普段手巻きのキングセイコーやロードマーベルを見慣れたおさーんからすると、中身の見た目は寂しいが、少しでも軽く正確にといった努力には頭の下がる思いである。

だが、同時に感じるのは、グランドセイコーに次ぐ高精度な腕時計であるキングセイコーといえども、見た目があまりに寂しいことだ。
まだ精度を追い求めている時代で、魅せるといった付加価値は二の次であることは理解するが、大量生産のプロダクション品となれば、さすがにこの時代はこうなるのか。

この時計は高度成長期が終わったころのものだが、その間上がり続けるコストに対し、精度向上とあわせ、少しでもコストを減らす工夫は絶え間なく続けられただろう。その考え方や価値観も今とは違う時代なので、今嘆いてみても仕方のない話かもしれない。

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さて、56KSに搭載されるムーブメントは、先行発売されていたロードマチックの56系ムーブメントを高振動化させたものとのことだ。
キングセイコーの自動巻はこれが初となるが、製造はキングセイコーの生みの親である亀戸製ではなく、諏訪精工舎製。オールドキングセイコーとしては、諏訪精工舎で造られた最初で最後のキングセイコーになる。

この時計の文字盤には、45KS同様 "HI-BEAT" の表記が入ることからわかるように、ハイビートムーブメントが採用されている。高振動化にあたっては、ロードマーベル36000や45KS等の10振動ではなく、8振動が採用された。

クラウンベースで10振動を商品化した諏訪が、これを8振動で造った理由はよくわからん。探しても出てこなかった。単純に10振動にしなくても精度が確保できるからそうなったのかもしれない。

だが、何も問題が無ければ、わざわざ振動数を落とす必要はない。もしかすると当時の高振動化は、製造や耐久性などにシビアな部分もあったのかと勘繰りたくなるおさーんであった。→勝手な妄想

加えて、実のところ、このムーブメントについては、いろいろ調べてみたがあまり情報が無い。

そういう意味では、このムーブメントファミリーについては数もかなり多く存在したはずで、当時わりとありふれたものだったのかもしれない。当り前にどこにでも存在したものは、当り前過ぎて現在まで情報が残らないことが多いのだ。

というわけで、これ以外の情報は、トンボ本に詳しく記載されているので、ぜひトンボ本を購入して読んでいただきたいという、丸投げで今回は終えるのであった。

現代SEIKOの新たなブランドとしてキングセイコーが復刻しているのは記憶に新しいところだが、オールドである56KSは現在も数が多く、しかも価格も落ち着いている。
さすがに現代時計と同様な防水性は期待できないため、限られた使用範囲とはなるが、今の時計に比べれば価格はとても手に入れやすく、精度も全く問題ない(というかむしろ良い)。
また、45KSや56KSはキングセイコーらしさが最も強いデザインかと思う。

新生キングセイコーに興味を持たれた方々は、これを契機に、古い時計をひとつお手元に置いてみるのも一興かもしれない。

最後に、やはりというか当たり前だが、この個体には機械番号の刻印はなかった。世の中そんな簡単においしい話は転がっていないということである。

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セイコー 56キングセイコー(規正付き・ノンデイト)
製造年月:1973年4月
モデルナンバー:Ref.5621-7021
キャリバーナンバー:Cal.5621B(自動巻)
ペットネーム:56KA
石数:25石
振動数:28,800回/時
ケース:SS
文字盤:AD