さぁマーベルだ。マーベルは文字盤の種類がことのほか多く、ホント飽きないのだ。
さて、今回のマーベルは21石と、シリーズ中最もグレードの高い機械を搭載したもの。加えて文字盤がスペシャルダイヤルだ。19石はいくつか持っているが、21石とSD文字盤はなかなかタイミングに恵まれなかった。どちらも数が少なく、キレイなものはマーベルと言えども値が張るためだ。こと最近の高騰によって、以前は気軽に手に入れられたマーベル敷居がかなり高くなった。マジ悲しい。
で、21石のSD文字盤と、この二つが揃っているとなればこれは行くしかあるまい。これでSマーク付きならば完璧なのだが、もとより少ない希少な21石なのだ。多くを望むのは強欲か。

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いやいいですねこのたたずまい。まるでSSはまぐりのようだ。1961年4月とかなり後年のモノなのでペットネームロゴが筆記体のモノになる。いやこんな時期までマーベル作ってたのかよと。手持ちでは1961年3月という個体があるが、これはそれ以上で、おさーんの持っているマーベルでは最も新しいもの。と言いながら63年前ですよまったく。

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さて、マーベルの21石は結構謎が多い時計だ。トンボ本にも記載されているが、販売開始となった時期がよくわからないらしい。加えて21石は、石の付く個所が初期と後期で異なるらしい。この違いは造られた時期によるものらしく、初期のものは2番車に石が付いているようだ。そしてこちらは数が少ないとのこと。


エニタイムウェアより引用

というわけでこいつはどうなのか、さっそく中身を見てみよう。つーか、新しい個体なので、見なくとも結果はわかるんだがな。

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見てわかる通り2番車には石はなく、予想通りの構成だった。遅くに販売されたことからか、耐震装置はS-2耐震でチラねじ無しのテンプを実装する。そして地板や受けは19石同様赤メッキ。うんうん、いい感じのムーブメントだ。

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このマーベルはメンテナンス済みだ。裏蓋の記載から、整備はごはんさんのところな模様。入手はヤフオクからで、マーベルとして結構お高いお値段となったが、メンテナンス済みならばその分差し引いて考えると状態なりといったところか。日差も10秒以内と素晴らしい。ムーブメントの写真からわかるように、緩急針もほぼ中央なので状態も良いのではないかと思う。
さすがマーベル、古い時計だが、今でもこんな精度が出せるのね。

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セイコー マーベル
製造年月:1961年4月
モデルナンバー:なし
キャリバーナンバー:(手巻)
ケースナンバー:14012
ペットネーム:M
石数:21石
振動数:18,000回/時(振動)
ケース:SS
文字盤:SD