つーわけで、先日手に入れたマーベル九号機だが、とっととオーバーホールに出すのだ。つーか、本来の目的は風防交換なのだが、ついでにオーバーホールもしてしまおう。

というわけで、お願いするお店は「ごはんさん」のところ。精計堂時計店である。

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このクソ汚い風防がどれだけキレイになるのか。そしてキレイになった時、クサビインデックスの見栄えはどうなるのか。加えてマーベル整備後の歩度はどうなのか。乞うご期待なおさーん。

おっとぉ、その前にいつものアプリで歩度測定してみよう。あくまでも簡易だが、戻って来た時の参考にはなるだろう。そしてそろそろタイムグラファー欲しいおさーん。時計1個買うのやめれば中華モノ買えるんだがな。

・ダイアルアップ :70秒
・ダイアルダウン :55秒
・12時位置上 :90秒

まとまってるんだかズレてるんだかよくわからない状態。というわけでこの状態でマーベルは福島へと旅立ったのであった。

旅立ちのあと3週間ほど。ごはんさんから連絡が入る。ようやくOHが完了したそうだ。今回は旧い時計でもあったことからなかなか精度が出ず苦労したとのこと。お得な料金なのに、本当にありがたいことである。ほどなくして、整備終わりのマーベルが届いた。
急いで封を開けたおさーん。あまりの変わりように目を見開き驚いた。

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上の写真と見比べていただくとわかるが、恐ろしくキレイになって帰ってきたマーベル。
予想通り汚いのは風防で、文字盤損傷はそれほどでもなかった。勝った!おさーんは勝った!。
一見リダンでもしたのかと目を疑う仕上がりだが、文字盤もそこそこ汚れもあるのがわかるだろう。
だが、これくらいなら充分キレイなレベル。待望のくさびインデックスで、この状態なら何もいうことはない。

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いやークサビいいよクサビ。欲しかったんだよクサビ。でも高いんだもんクサビ。

さて、ごはんさんのところでメンテナンスと言えば、保証書をおいておくわけにはいかないだろう。
今回も毛筆で挿絵の添えられた3か月の保証書が添付されていた。こちらも引用しておこう。

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手巻専用ですと書かれた整備保証書。んなもんわかっとるわ!→そんなこと言っちゃあかん!

精度も15秒と充分な数字、おさーんびっくりであった。60年以上前のマーベルでも、今現在ここまで出せるんだな。しかも廉価な17石だ。凄いなこれ。

贅沢で当時国内最高峰だった造りのロードマーベルとは違い、マーベルはそのひと昔前の古い時計。今でもこの精度が出せるのは驚きでしかない。
現代時計で唯一持っているSARX035でも保証精度はこれより悪かったはずだ。
古の技術者が込めたであろう、強い思いに感嘆するしかないおさーんだった。

この時代から世界の頂点を目指し、経済成長と共に駆け上がっていく国産時計。時代の名せる業とは言え、造る人の思いとその結果出来上がったモノが本当に素晴らしい。
腕時計なら、おさーんにとってはやっぱこの時代の時計が一番!。

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セイコー マーベル
製造年月:1958年5月
モデルナンバー:なし
キャリバーナンバー:(手巻)
ケースナンバー:J14004
ペットネーム:M
石数:17石
振動数:18,000回/時(5振動)
ケース:SS
文字盤:不明